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ピーターノーマンの経歴プロフィールは?人種差別と闘った功績や記録も!

 

1968年、国内外で様々な出来事がありました。

国内では迷宮入りした3億円強奪事件や

日本人が初めて南極点に到達したのもこの年。

 

また、川端康成氏がノーベル文学賞の受賞や

小笠原諸島が日本に復帰したのも1968年です。

 

そして“少年ジャンプ”も創刊されました。

経済では戦後20年足らずで

日本のGNPがアメリカに次いで第2位に

飛躍した年でもあったんですね。

 

方や海外に目を向けると大きな出来事が。


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代35代アメリカ合衆国の大統領で

暗殺されたジョン・F・ケネディの弟

ロバート・ケネディが暗殺されています。

 

激化するベトナム戦争や黒人運動の指導者

キング牧師が射殺される事件など

“混沌”とした世界情勢で揺れに揺れた年。

 

そんな中、開催されたメキシコオリンピック。

今回の記事はあまり知られていない

歴史に埋もれたひとりの人物に注目しました。

 

その人物とは白人最速のスプリンター

ピーターノーマン氏。

メダリストになった後も様々な迫害を受け、

生涯日の目を見る事がなかったという。

 

何故、ピーターノーマンが迫害を・・・

一体、何をしたのか?

 

その歴史に埋もれたピーターノーマン氏の

生涯と功績、そしてスプリンターとしての

記録など、色々調べてみると...!?


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歴史から抹殺されたピーターノーマン

ピーターノーマン氏はオーストラリア出身。

オーストラリア史上最速の短距離選手で

彼がメキシコ五輪で出した200mのタイム

20.06秒はオーストラリアでは未だ前人未到。

 

身長178cm、体重70kgと陸上短距離の

スプリンターとしては恵まれた体格とは

言い難いピーターノーマン氏。

 

半世紀近くピーターノーマン氏の記録が

未だ破られていない事に驚くとともに

彼の才能が伺い知れます。

 

メキシコオリンピックが開催された

1968年当時はアメリカは言うに及ばず

オーストラリアでも白人至上主義の政策が。

 

南アフリカの“アパルトヘイト”

オーストラリアの差別政策から

作られたものだとも。

 

実際に人種差別が引き金になった暴動や

警官隊との衝突で多くの人命が失われる事も。

 

そんな激動の年に開催されたオリンピックの

200m走でピーターノーマンは銀メダルに。

 

世界で2番目に早いスプリンターの誕生に

母国オーストラリアは沸きに沸きます。

 

しかし、その後の表彰式で取った

メダリスト3人がその後の人生を狂わす事に。

 

その時の写真がこちらです。

プリント出典:http://www.the-journal.jp/contents/rick/mb/fist_full_of.html

 

この時の金メダリストはトミー・スミスで

銅メダリストがジョン・カーロス。

そして銀メダリストのピーター・ノーマン。

 

スミスとカーロスの二人が首を垂れ、

黒い手袋をはめた拳を天に突き上げています。

 

合衆国国歌が流れる中に取ったこの行為は

黒人差別に対する抗議の意味を込めた

示威行為だったのです。

 

この示威行為は近代オリンピックの歴史上、

最も有名な政治行為としてあまりにも有名。

 

...そもそもオリンピックの歴史を紐解くと

古代ギリシャで行われていた

オリンピアードという競技会が発祥。

 

この古代オリンピックそのものが

“神に捧げられた競技会”とされ、いつしか

神聖化され、戦争さえも禁止されたと言う。

 

この神聖な“掟”を破った者はオリンピックへの

出場は拒否される厳罰が下ると言います。

 

現在のオリンピックでもこの憲章を遵守し、

選手には「政治・宗教・人種差別的な言動は

行わない」とサインを求められます。

 

おっと、話が少々逸れたので元に戻します。

表彰台で拳を突き上げ、人種差別に抗議する

スミスとカーロスの隣にいる

ピーター・ノーマン。

 

一見して何事もなかったように

表彰台に立つ彼の胸元には・・・

peternorman3

 

このバッジが付けられていたのです。

 

これは明らかな五輪憲章違反として

スミスとカーロス、そしてピーターノーマンも

“処罰”の対象に。

 

何故ならこのバッジの主旨は

人権問題に苦しむ選手の“平等な権利”を求める

無言の象徴とも言える物。

 

そのバッジを胸にピーターノーマン氏は

多くの観客と数百万人を超える視聴者の前で

銀メダルの表彰式に立ちます。

 

当然の如くこの3人は重大な規約違反者として

表舞台から抹殺される事に。

 

母国オーストラリアの英雄としての地位を

投げ捨ててまでピーターノーマン氏を動かした

その思いとは一体?


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僕も君たちと一緒に立つ!

ピーターノーマンの気さくな性格に

すっかり打ち解けたスミスとカーロス。

 

そのピーターノーマンに二人が尋ねます。

“人権を信じるか”...と。

 

二人が発した言葉に即座に答えるピーター。

「もちろん信じている」と。

 

また、ピーターノーマン氏が発した言葉に

スミスとカーロスは驚いたと言う。

「僕も君たちと一緒に立つ」という言葉に。

 

表彰台で黒人差別政策を批判する行為を

事前に計画していたスミスとカーロス。

 

二人の胸にはその象徴のバッジが。

そのバッジを見たピーターノーマン氏は

「それ、僕の分もあるかい?」と。

 

さらにこう続けます。

「君たちが信じる事は僕も信じる。僕も

人権運動を支持ために証明する」とも。

 

その秘めたる想いを胸に表彰式台に立った3人。

その後、スミスとカーロスはスポーツ界から

事実上の永久追放に。

 

ピーターノーマンも母国オーストラリアでは

1972年ミュンヘンオリンピックの

代表選考会でも優秀な成績を残し、

出場資格を得たにもかかわらず代表落ち。

 

ピーターノーマン氏もまた、事件の影響を受け

スポーツ界から抹殺されたのです。

 

家族ともどもオーストラリアで疎外され、

ピーターは肉屋や体育教師などの職を

転々としていたそうです。

 

白人至上主義のオーストラリアで

除け者扱いされ無視され続けた

ピーターノーマン氏。

 

白人最速のスプリンターはうつ病や

アルコール中毒、鎮痛剤への依存で

苦しむ人生を送ります。

 

 

時代は流れ、アメリカで人種差別が撤廃され、

スミスとカーロスは人権運動のために闘った

英雄として二人を賞賛します。

 

アメリカは二人に正当な評価を下し、

サン・ホセ州立大学のキャンバスに

記念の像が建てられました。しかし・・・

peternorman7出典:http://counselingkei.blog.fc2.com/blog-entry-168.html

 

そうです。

2位の銀メダリスト、ピーターノーマンの

立つ位置に彼の姿はありません。

 

あえて2位の位置に彼の像を建てない事で

ピーターノーマン氏の存在が引き立ちます。

 

「2番目の男は一体誰だ?」...と。

 

そこまで意図して建てられた像なのかは

筆者には分かりません。

しかし、あまりに物悲しい像です。


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ひとりで闘い続けた孤高のアスリート

未だに破られていないピーターノーマンの

オーストラリア記録。

 

2000年のシドニーオリンピックでは本来、

母国のヒーローとして招待されるはず。

しかし彼は招待されませんでした。

 

2006年、ピーターノーマン氏は

心臓発作により64年の人生に幕を下ろします。

 

この時の葬儀では人権のために、

共に闘った“同士”、スミスとカーロスが

ピーターの棺を担ぎました。

peternorman6出典:http://www.imishin.jp/peter-norman/

peter5norman

 

カーロスがこんな言葉を残しています。

「ピーターはたった一人で、

国全体に立ち向かって戦っていたんだ」...と。

 

 

2012年、オーストラリア政府がピーターに

正当な評価と謝罪を行います。

 

幾度も予選を通過したにもかかわらず

ミュンヘン五輪の代表にしなかった事や

差別撤廃のために果たした彼の役割への

認識に時間がかかったことを。

 

できうるならばピーターノーマン氏の

生きているうちに欲しかった謝罪。

 

しかし、ピーターノーマンの

平等と人種差別撤廃のための意思は

これからも脈々と受け継がれるでしょう。

peter4norman出典:http://www.imishin.jp/peter-norman/

 
少数でも勇気ある人の行動や言動が

世の中を変えて行く・・・

そんな事を教えられた気がします。

 

尚、ピーターノーマンの功績をまとめた

「salute」をピーターの甥である

映画監督のマットノーマン氏によって映像化。

 

黒人差別撤廃のため自身を顧みず

生涯闘い続けた孤高のアスリートをもっと

深く知ることができるかも...です。

 

この映画、TSUTAYAにあるのでしょうか?

もしあるのなら一度は見たい映画です。


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